哲学者・柳澤田実 × メディアアーティスト・谷口暁彦と“故郷”について探究する
–––誰かがいる。それは私のようにも見える。生きているのか死んでいるのか分からない。この世界ではその区別は曖昧だ。誰かは一時的にこの世界から移住することを考え始めている。–––
気候変動などにより人類全体が“難民化”する時代において、人々にとって「故郷」の概念や、自身の帰属意識やアイデンティティは今後どのように変わっていくのでしょうか?
こうした問いを深めていくために、Goldwin Field Research Lab.と一般社団法人デサイロ(De-Silo)のコラボレーションプロジェクトとして「故郷とアイデンティティ」のリサーチは始まりました。
哲学・宗教思想を専門とする関西学院大学准教授の柳澤田実さんとデジタルメディアを複合的に用いた美術作品の表現を追求してきたアーティスト/多摩美術大学美術学部准教授の谷口暁彦さんを共同リサーチャーとして迎え、研究者とアーティストという異なる視点から、得られた知見を作品と論考という形でまとめていく約1年間の調査を実施しました。
そのプロセスを紹介するGoldwin Field Research Lab.での連載では「デジタル空間でのフィールドワーク」「ヒップホップと故郷」「宇宙移住と故郷」と、一見つながらないように思えるいくつかのテーマを横断しながら、今回のテーマについて検討。その成果を、柳澤さんが論考に、谷口さんが映像作品にまとめました。
今回、Goldwin Field Research Lab.の1周年記念イベント「Field Report #001」にて、ワークショップとトークイベントを実施します。
ワークショップでは、その場に集った“私たち”で「仮設的に故郷をつくる」ことを試みます。参加者のみなさんには「故郷が失われたと仮定し、自分にとって故郷を思い出す/ノスタルジーを感じて、持っていきたいもの」を会場に持ち寄っていただき、そのオブジェクトを起点に、「故郷」の捉え方の解体と仮設を行っていきます。
続くトークセッションでは、谷口さんの作品上映を経て、柳澤さん、谷口さんに加えて共同リサーチャーとして参加したデサイロの岡田弘太郎さん、そしてGoldwin Field Research Lab.の神田容佐も交えながら、「故郷とアイデンティティ」を多角的に捉えるための議論が実施されます。
排外主義やナショナリズムの高まり、気候変動の前景化、宇宙開発、果てはポップカルチャーまで、「故郷」のスコープからいま私たちが直面する課題やその現在地を解き明かしていきます。
ワークショップ/トークセッションともに参加人数に限りがありますので、お早めの申し込みをお願いいたします。
※本ページは「ワークショップ」への申し込みページとなります。 「トークセッション/上映会」には下記よりお申し込みください。
https://www.goldwin-reservation.jp/events/20
イベント情報
- 【開催日】
- 2025年9月6日(土) 16:00-18:00(受付開始:15:30)
- 【参加費】
- 無料
- 【参加定員】
- 20名(先着)
- 【応募締切】
- 9月5日(金) 23:59
- 【登壇者】
- 柳澤 田実 / 哲学者・関西学院大学神学部准教授
谷口 暁彦 / メディアアーティスト・多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授
岡田弘太郎/De-Silo
神田容佐/ Goldwin Field Research Lab.
- 【持ち物】
- “故郷“が失われたと仮定し、あなたが新たな”故郷“に一つだけ持っていくだろう、大切なもの
例)家族写真(紙焼き) / 実家の醤油瓶 / 小学校の卒業文集 / 交換日記 / 土(故郷の庭の一握り) / 風鈴(自宅の軒先にあったもの) / 祖父の腕時計 / 母が織った布団カバー/ぬいぐるみ / 本 etc...
- 【開催場所】
- 株式会社ゴールドウイン東京本社 1Fイベントスペース
東京都港区北青山3-5-6 青朋ビル1F
https://maps.app.goo.gl/afzhutL5T9kfUjM68
登壇者
柳澤田実(やなぎさわ・たみ) X
(哲学者・関西学院大学神学部准教授 )
1973年ニューヨーク生まれ。専門は哲学・キリスト教思想。博士(学術)。関西学院大学神学部准教授。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(現代企画室、2008)、2017年にThe New School for Social Researchの心理学研究室に留学し、以降Moral Foundation Theoryに基づく質問紙調査を日米で行いながら、宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係について、何かを神聖視する心理に注目しながら研究している。
谷口暁彦(たにぐち・あきひこ)X
(メディアアーティスト・多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授)
メディアアーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授。メディア・アート、ネット・アート、ゲーム・アート、パフォーマンス、映像、彫刻作品など、さまざまな形態で作品を発表する。主な展覧会に「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館、2016年)、「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、17年)など。企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京、18–19年)にて共同キュレ―ターを務める。
岡田弘太郎 X
(De-Silo)
一般社団法人デサイロ代表理事。一般社団法人B-Side Incubator代表理事。研究者やアーティスト、クリエイター、起業家などの新しい価値をつくる人々と社会をつなげるための発信支援や、資金調達のモデル構築に取り組む。1994年東京生まれ。慶應義塾大学にてサービスデザインを専攻。
神田容佐
(Goldwin Field Research Lab.)
ウェブマガジンの編集/ライターを経て2017年入社。総合企画本部マーケティング部所属。DJ/音楽プロデューサーとしても15年以上のキャリアを持つ。
【注意事項】
※お申込者が未成年である場合、親権者などの法定代理人の同意を得たうえで、お申し込みください。
※中学生未満のお子さまの参加には、親権者からの申し込みおよび親権者の同伴を必須とします。
※予約人数に同伴者の人数は含みません。イベントを体験される人数をご入力ください。
※イベント当日は撮影を行います。後日、当社WEBサイトやSNS等で掲載させていただく可能性がございます。
※外部メディアによる取材、写真および映像等の撮影が行われる可能性がございます。写真等の撮影および使用についてご同意をいただけない場合は、
お手数ですが撮影者にお申し出ください。
※他の参加者による写真・動画撮影、SNS等へ掲載される可能性があります。あらかじめご了承ください。